SysTune Pro コラム ~vol.1

SysTune Proって?

これからSysTune Proのご紹介をしていきたいと思います。このページを読んでくださっている皆さまは、SysTune Proが音響測定ソフトウェアであるということはご存知だと思いますので、他の一般的なFFTベースの音響ソフトウェアとどこが異なるのか?その辺りから話を始めたいと思います。

まず、SysTune Proは、ドイツのAFMG社(音響シミュレーションソフトウェアのEASEというソフトウェアで有名な会社)の製品です。つまり、EASEの開発で培った建築音響・電気音響・信号処理などの技術を使って、ライブPAの音響測定と調整用に最適化したものがSysTune Proということです。

SysTune Proには、音響測定をよく知るエンジニアにとっても、初めて聞くような機能や測定を超えた付加機能がいくつも搭載されています。このコラムでは、それら新しい機能が何のためのものでどのように役立つのか、背景も説明しながら機能や使い方の解説を行いたいと思っていますので、どうぞ最後の回までお付き合いお願いします。

前置きはこのくらいにして、まずはSysTuneのコア技術について触れます。
SysTuneを少しでも触ったことがある方は、インパルス応答やエネルギー時間カーブ(ETC)がリアルタイムに画面表示されている様子を思い出されると思います。
それを実現しているのが、”Real-Time Deconvolution(RTD™)” という技術です。日本語では“実時間逆畳み込み”と表現します。
RTD™は、逆畳み込み演算という複雑な計算と、インパルス応答の画面描画を、超高速実行するAFMG社独自の計算アルゴリズムです。
特許を取得していますので、他社ではまねができません。
このRTD™によって、音楽信号でリアルタイムインパルス応答測定が可能になり、それが「SysTuneだけが唯一ライブPAでインパルス応答測定ができる」と言われている所以です。
下図がSysTune Proの画面例です。
SysTuneのリアルタイムインパルス応答とエネルギー時間カーブ・ETCの画像

SysTuneのリアルタイムインパルス応答(上)エネルギー時間カーブ・ETC(下)

リアルタイムインパルス応答測定は、音響系の伝達関数測定に革命をもたらしたと言っても過言ではありません。
例えば、スピーカーからの直接音と会場の壁・天井・床からの反射音や残響を、全体のインパルス応答やそのエネルギー表示であるETCを見ることで区別し、音響的な問題の原因特定や、伝達関数測定のターゲットの絞り込みがしやすくなります。
実際、SysTuneにはインパルス応答の切り出しとその後の周波数特性の表示機能があり、簡単かつ素早く音響解析ができます。
また、インパルス応答が測定できることで、音声明瞭度(STI)の高精度測定が可能です。もちろん、残響時間の測定などもできます。

少しSysTune Proというソフトウェアをわかっていただけたかと思います。次回は、もう少し続けてSysTune Proの特長と、FFTベースで音響測定をするための前提条件についてお話ししたいと思います。