J.TESORI SOUND WORKSHOP

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Power Theory コース ~Step3

「アンプとスピーカーの電力インターフェースを学ぶ」

本コースでは、プロオーディオ機器ユーザーが知っておくべき、アンプとスピーカーを適正にインターフェースするスキルを養成します。

プロオーディオ業界において、一般的にアンプとスピーカーの性能を示す“定格電力”は、サウンドシステムを設計する際や機器をメンテナンスする場合には、かなり曖昧で実質的には役に立たないことが通常です。
例えば、「このアンプは1kWを出力できる」や「このスピーカーは800Wを入力できる」などの主張は、実際には意味を持っていません。つまり、本来最も重要であるべき“定格電力”は、乱用され誤解されている仕様の一つと言えます。

本コースの目的は、アンプとスピーカーのインターフェースにおいて、混同し誤解しがちな仕様や性能について、正しく安全なガイダンスを行うことです。
具体的には、“定格電力”や“最大電力”などのこれまでの性能標準について、どこが曖昧なのかを正しく理解すると共に、より実用的で現実に近い性能とは何かを理解し、その性能を測定する手法を学習します。

本コース終了時には、以下のスキルを身につけることができます。
① アンプとスピーカーの性能を表す項目で、最も重要なものが何かが分かる
② アンプとスピーカーの性能は、どのような試験のもとに測定されているかが分かる
③ メーカーが提供する製品の仕様や性能の数値について、その背景を洞察することができる
④ 経済的かつ安全な出力系システムを組むことができる
⑤ スピーカーの限界性能を自分で測定するための準備(知識の獲得)ができる

こんな方にお勧め

  • 音を出す仕事に従事する、あらゆるプロオーディオ業界の方々
  • 特に、PA会社のサウンドシステムエンジニア
  • 特に、電気音響設備のサウンドシステム設計者
  • 特に、アンプとスピーカーの特性測定や修理を業務とされている方
  • 特に、アンプおよびスピーカーの販売を担当されている方

受講チェック

本コースは、JTSW Step1「Hello!ProAudio」およびStep2「Signal Theory」の受講修了者を対象としています。
受講経験がない方は、以下例題の知識をめどに自己判断いただき、お申込みください。
また、ご受講前にはぜひ復習をしてご参加ください。
  • オームの法則
  • フレミングの法則
  • 公称インピーダンスとは
  • 実効値とは
  • クレストファクターとは
  • 線形システムとは

トレーニング内容

5つのセッションで構成されています。
プロオーディオにおいて、電気音響変換を行うスピーカーは極めて重要な要素です。
そして、アンプはそのために商用電源(コンセント)あるいはバッテリーから電力を取り出しスピーカーに伝える役割を果たします。
セッション1では、基本的なオームの法則とフレミングの法則をベースに、アンプとスピーカーがどのような関係であればサウンドシステムが問題なく成立するのか、その原理原則を分かりやすく解説します。

セッション2は、スピーカーの選択や性能評価において、最も重要な最大入力電圧について詳細に学習します。
一般に、スピーカーにどれだけの電力を入れることができるかの指標として定格入力(W)が用いられていますが、そのために起こる混乱、そして最悪の場合にはスピーカー破損など、定格入力が持つ潜在的な曖昧さにストップをかけるのが最大入力電圧(Vrms)です。
その重要性の理由、定義、測定のブロックダイアグラム、測定ツール、測定手順、音響シミュレーションのためのスピーカーデータ上の表記、など特に詳しく解説します。

最大入力電圧は、主にスピーカーの熱による限界を決定づけるものですが、一方でボイスコイルの可動域限界などから起こる機械的損失も考慮しなければなりません。
セッション3では、スピーカーの機械的限界試験について、メーカーが一般にどのような方法で行っており、その結果をスピーカー仕様としてどのように表記しているかを解説します。

セッション4は、アンプの解説です。
そもそもアンプは、電気的に何をしようとしているのか、そして理想的ではない現実ではそれがどう変化してしまうのか、を信号のクレストファクターと負荷(スピーカー)を軸に分かりやすく解説します。
さらに、スピーカーの最大入力電圧から導き出すことができる“等価アンプサイズ”という重要な概念についても触れます。

セッション5は、仕上げです。
具体的には、すでにアンプとスピーカーがあるとして、アンプの入力感度をどのように調整すればよいかを解説します。考え方をしっかり学ぶことで、マルチウェイスピーカーシステム、パワードスピーカー、DSPアンプなどの場合にも応用ができます。

トレーニングの特長

難解な専門書とは一線を画すオリジナル図解を多く用いた分かりやすい理論解説、実際の測定ツールを用いた測定手法の解説を行うことにより、受講者の興味と理解度を一層高めます。
講師は、JTSW主宰の栗山譲二が務めます。

開催概要 

<関西> 
日     時 2020年2月5日(水)13時00分開始~18時00分終了(5時間 休憩時間含む)
本トレーニングは終了いたしました。次回のご参加をお待ちしております。
会   場 大阪市立青少年センターKOKOPLAZA 講義室505
大阪市東淀川区東中島1-13-13 JR京都線「新大阪駅」東口より徒歩約7分
受 講 料 8,000円(消費税別) ※費用に含まれるもの:研修資料
<東京> 
日     時 2020年2月25日(火)13時00分開始~18時00分終了(5時間 休憩時間含む)
本トレーニングは終了いたしました。次回のご参加をお待ちしております。
会     場 大田区産業プラザ(PiO)C会議室
東京都大田区南蒲田1丁目20-20 京浜急行「京急蒲田」駅より徒歩約3分
受 講 料 8,000円(消費税別) ※費用に含まれるもの:研修資料

◆ Step2修了割引プラン ◆

Step2(Room AcousticSignal Theory両コース)修了の場合、 7,000円(消費税別)
※お申込み時、「Step2修了割引き」利用にチェックしてください

  • <カリキュラム>

    1. アンプとスピーカーのインターフェースの基礎
    ➀ 定電圧源とは
    ➁ 線形動作とは
    ➂ 熱の影響
    2. スピーカーの最大入力電圧
    ➀ なぜ重要なのか
    ➁ 最大入力電圧の見つけ方
    ➂ 測定ブロックダイアグラム
    ➃ どのような音源を使い、何を観察するのか
    ➄ 測定の流れ
    3. スピーカーの機械的限界試験
    ➀ 考え方
    ➁ どのような音源を使い、何を観察するのか
    ➂ 最大入力電圧との比較
    4. アンプの定格電力
    ➀ 電力変換の基本
    ➁ 信号のクレストファクターと負荷
    ➂ 等価アンプサイズとは
    5. システムとして把握する
    ➀ アンプの入力感度調整
    ➁ 10m/30Vrmsガイドライン
    ➂ ゲイントレーディング